チェンソーマンと進撃の巨人を比較検証!2大伏線作品の違いと作者の特性を解説

「チェンソーマン」と「進撃の巨人」と言えば、完結した2大伏線作品と言えるでしょう。

「ワンピース」や「キングダム」「名探偵コナン」も大きな伏線作品となっていますが、「完結し伏線が回収された代表作」というと、やはりこの2大作品な気がします。

そんな2大伏線作品に、共通点はあるのか?

作品と作者の両方を比較しそれぞれの優れたポイントを見ていきます。

両作品を考察し倒したアースが、徹底検証しますよ!

順番に見て行きましょう!

目次

チェンソーマンと進撃の巨人を解説

「チェンソーマン」とは

  • 作者:藤本タツキ
  • 連載媒体:週刊少年ジャンプ
  • 連載期間:2018年12月~2020年12月
  • ジャンル:ダークファンタジー

死亡した父親の借金を返すために底辺な生活をしている主人公デンジと相棒の悪魔ポチタの物語。

日常生活で普通に登場する悪魔を倒すデビルハンターとして生きるデンジとポチタが、公安の美人デビルハンター マキマと出会い雇われる事になります。

マキマを介し出会った仲間と共に、襲ってくる敵の悪魔を倒すバトル・ダークファンタジー物語となっています。

進撃の巨人とは

  • 作者:諫山創
  • 連載媒体:別冊少年マガジン
  • 連載期間:2009年9月~2021年4月
  • ジャンル:ダークファンタジー

巨人に支配された世界で生きる少年エレンの物語。

母親を巨人に捕食された主人公エレンは、世界中を支配する巨人の駆逐を誓います。

巨大な壁に守られた世界から外に飛び出し巨人を倒す調査兵団に入団し、巨人が生まれた世界の謎を突き止めていくバトル・ダークファンタジー物語となっています。

チェンソーマンと進撃の巨人の伏線回収を解説!

「ダークファンタジー」というジャンルに含まれる両作品。

さらに「悪魔」「巨人」と戦うという構図も同じであり、「悪魔の力を手に入れて戦う」「巨人の力を手に入れて戦う」という点もソックリです。

ここからも、両作品に共通点が多いことは間違いないでしょう。

その中でも最も大きな共通点は「伏線」です。

作品序盤に仕掛けられた伏線が最終話で回収されるところが、非常に良く似ています。

では、それぞれの伏線と回収を見てみましょう。

「チェンソーマン」の代表的な伏線
  • 1巻1話デンジとポチタとの契約シーンが11巻91話でのデンジとパワーの契約シーンと同じ構図。
  • 1巻2話マキマの「私は特別鼻が効くんだ」が、11巻97話での「マキマはチェンソーマンしか見ておらずデンジを見ていなかった」で回収。
  • 2巻12話マキマの「噛む力で私だって分かるくらい覚えて」が、11巻97話のナユタが噛む力で正体に気付くデンジで回収。
「進撃の巨人」の代表的な伏線
  • 1巻第1話タイトル「二千年後の君へ」と、30巻122話タイトル「二千年前の君から」、138話ミカサとユミル
  • 1巻第1話エレン夢での「いってらっしゃい」発言と、34巻138話のミカサの「いってらっしゃい」
  • 1巻第1話エレンが寝ていた木の十字架と、34巻139話エレンの墓標

これ、見比べるとかなり似ている事が分かりますよね。

「チェンソーマン」でのマキマの鼻と噛む力からは、連載開始からマキマの最後と最終話の展開が決まっていた事が分かります。

「進撃の巨人」の1話でのエレンが寝ていた木の十字架からは、最後にエレンがそこに眠る事が決まっていた事が分かります。

さらに第1話タイトルの「二千年後の君へ」には、最終話までの始祖ユミルの歴史が表されています。

つまり、両作品とも連載開始の時から最終話までの展開・終わり方が決められていた、ということになります。

これ、スゴいですよね!

本当に、才能を感じますよ!

最初から終わり方が決められているから、最終話に向けた伏線が1話から仕掛けられる。

そして、回収されずスルーしても物語としては繋がるように上手く仕掛けられている。

両作品の共通点である「伏線と回収」は、両作品の最も大きな魅力となっていることが分かりますよね。

読んだ後に初期の伏線に気付き、ゾクッとする感覚が両作品の大きな魅力であることは間違いないです。

こんなスゴい伏線を仕掛けられる作者二人に、共通点はあるのか?

次は両作者を見て行きましょう!

チェンソーマン作者と進撃の巨人作者を比較検証

「チェンソーマン」作者 藤本タツキ先生とは

項目内容
名前藤本タツキ
生年月日1999年10月10日(28歳)
出身地秋田県にかほ市
出身校東北芸術工科大学美術家洋画コース
デビュー2016年「ファイアパンチ」にて
代表作「ファイアパンチ」「チェンソーマン」

「進撃の巨人」作者 諫山創先生とは

項目内容
名前諫山創(いさやまはじめ)
生年月日1986年8月29日(35歳)
出身地大分県日田市
出身校専門学校九州デザイナー学院マンガ科
デビュー2009年「進撃の巨人」にて
代表作「進撃の巨人」

「チェンソーマン」の作者 藤本タツキ先生。

「進撃の巨人」の作者 諫山創先生。

両作品に見られた共通点のように、二人にも共通点があるのでしょうか?

プロフィールを見る限り、目立った共通点はありませんね。

共通点と言えばこれくらいでしょう。

  • 秋田県と大分県という、どちらかと言うと田舎出身
  • 絵やマンガの学部を専攻

プロフィールからは共通点は見られませんでしたが、となると作品の作り方に共通点があるのかもですね。

二人の共通する「作品の描き方」を取り上げてみました!

編集担当者と物語の作り方

「進撃の巨人」はもともと、読み切り作品として生まれました。

読み切り版は2006年にマガジングランプリにて佳作となり、3年後の2009年に連載として始まっています。

当初、諫山先生は違うプロットで連載開始しようとしていました。

編集担当の川窪慎太郎氏の提案により、「進撃の巨人」を膨らまし連載することに決まります。

そこから川窪慎太郎氏と諫山先生の間で裏設定を話あい、現在の作品の形として作り上げていきました。

「チェンソーマン」にもやはり、編集担当の存在が大きく影響しています。

編集担当の林士平氏は、ネームをもらった時点で「気になったところ」「分からないところ」を指摘し、それを藤本タツキ先生が汲み取り修正したり、そのままスルーしたりと作品を洗練させていったとのことです。

これは諫山先生の担当編集である川窪慎太郎氏も行っており、担当編集であれば当たり前の事でしょう。

ただこの二人は藤本タツキ先生と諫山先生のデビュー前からの付き合いで、かなり長い時間やり取りをされています。

二人の共通点として、デビュー前から密にコミュニケーションを取り合い分かり合っている優秀な編集担当と作品を磨き合っていたところでしょう。

そして他作品から強い影響を受けており、特に映画好きなところも共通しています。

両作品の伏線回収についての姿勢の違い

さらに伏線と回収についても、それぞれの作者から説明がされています。

諫山先生は「マブラヴオルタネイティヴ」などの他作品の影響を受け、第1話から最終話に向けての伏線を仕掛けている事を明かされています。

物語の幹となる部分は事前に決めていたけれど、細部やその他のキャラクター達の行動は連載を続けていく中で決めていったとも。

物語を組み立てるための材料が独りでに歩き出して、いきなり他の物語に繋がっていったと説明されています。

例えばサシャを殺したガビがカヤと出会ってサシャファミリーと繋がったのは、後から即興で決めた偶然の展開だったとも明かされています。

つまりは担当編集と話し合い決めていたもともとの伏線設定と才能とも言える偶然の思いつきにより、物語が繋がり「伏線回収」のような展開になっていたと言う事でしょう。

藤本タツキ先生も「チェンソーマン」について、他の作品の影響を受けながら最終話に向けた伏線を作り上げていったとインタービュー記事にて明かされています。

三大欲求を描こうと決め、最後までキチンと描けたとも。

しかし伏線回収については「分かるようには描いているけれど、できたらいいなぁくらいで面白さを優先で描いている。別に回収されなくてもリアリティがあればいいかなって思っている」と説明されています。

つまりは「伏線を仕掛けて回収するように描いているけれど面白さとリアリティが優先であり『できたら良いなぁ』くらいで描いている」ということでしょう。

たしかに「チェンソーマン」は「進撃の巨人」と比べると、優れた作品だけれど伏線回収は進撃の方が確実に回収されているように感じます。

「マキマの匂いについて」や「噛む力」など素晴らしい伏線回収がありながらも、武器の悪魔達と6人に騎士など、謎のままで終わっている設定もあります。

この辺りは面白さやリアリティを優先した「チェンソーマン」の特色でしょう!

「チェンソーマン」と「進撃の巨人」の共通点と違いについてのまとめ

二つの作品と二人の特徴をまとめてみます。

両作品の共通点
  • 連載開始時点で最終話へ向けての伏線を仕掛けている
  • 作者二人に共通点はほぼ無いがが、学校は絵やマンガの専門を専攻している。
  • 優れた担当編集とデビューから付き合い、長い時間作品について会話し磨いていた。
両作品の相違点
  • 「進撃の巨人」は偶然に物語が繋がり伏線回収となった部分もある。
  • 「チェンソーマン」は「伏線は回収は出来たらいいなぁ」くらいで、面白さとリアリティさを優先している。

両作品とも素晴らしい伏線回収が展開した作品ですが、やはり違う作者の違う作品なので大きな違いもあるようです。

大きな共通点としては、良い作品には良い担当編集者が付いているのだな、と感じました。

担当編集との打ち合わせ・会話から見事な伏線回収が生まれているのだろう、と感じますよ!

そして他作品から強く影響を受け、特に映画が二人とも好きなところも作品に影響しているように感じました。

二人とも現在連載は持っていませんが、次の作品がむっちゃ楽しみですよね!

二人のこれからの作品にも、要注目ですよ!\(^o^)/

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 『チェンソーマン』いま⑦巻途中まで読み終わりました。
    『ルックバック』もそうでしたが、藤本先生の作品は、それぞれの場面、ひとコマひとコマに強烈なインパクトがありますね。
    昼と夜、光と闇、動と静、生と死。
    美しさとおぞましさ。
    一本の映画の中で、誰もまだ見たことのない衝撃的な場面を続けざまに観ている感じ?
    それに対して諫山先生は、コマとコマの間をごく自然に読み手に想像させます。
    各場面だけを取り上げても心に沁みるのですが、作品全体を通して読んだ時はじめて、物語の壮大な展開と世界が、流れるように繋がってゆく。
    藤本先生は洋画コースを、諫山先生はマンガ科をそれぞれ専攻していらしたそうですが、それが作風の違いになっていたら面白いですね。

    「管理人・エンジェル」は登場人物から来てたんですね。
    可愛くて魅力的なキャラですが、このさい「管理人・漫画の悪魔」でも良かった気もします(笑)

    • >『チェンソーマン』いま⑦巻途中まで読み終わりました。
      おお、となるとサンタクロースの辺りでしょうか?
      ここはちょっと難しいですが、一気に盛り上がってくるところもあるのでお楽しみに!(*^^*)

      >一本の映画の中で、誰もまだ見たことのない衝撃的な場面を続けざまに観ている感じ?
      それに対して諫山先生は、コマとコマの間をごく自然に読み手に想像させます。
      これ、ホントそう感じます。
      「チェンソーマン」はイラストを連続で見ているような感じですが、進撃はコマとコマの間も繋がっていますね。

      「進撃の巨人」を読み終わってからも様々な作品を読みましたが、やはり諫山先生は特別だったんだなと感じています。
      あれでデビューって、とんでもないですよね!(笑)
      ただチェンソーマンにもそのような匂いがします。
      10巻・11巻での怒涛の回収に、進撃と同じ魅力を感じました。
      ぜひ最後までお付き合いくださいm(_ _)m

      >「管理人・漫画の悪魔」でも良かった
      たしかに!(笑)
      ただちょっと恐れ多い気もします(・_・;)

      管理人エンジェル

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